20230522

真っ白な便箋の上、一文字も進まないまま過ぎていった春、ありがとうも思い出もいっぱいあるのにいざ言葉にしようとすると言葉が出ない。緊張しないタイプだと言っていたのにカメラ越しにもわかる震える手、溢れ出る気持ちと止まらない涙に歌えなくなった夜。歪んだ顔や頬に残った涙の跡をみて何度も唇を噛んだ。何年もみてきた大きな背中に乗った強がりに、泣ける心があってよかったとも思った。最後まで強くあろうとしたひと、優しくあろうとしたひと、真摯に仕事と仲間とファンと向き合い続けたひと。悔しさも寂しさも全部連れてこれからどこに行くんだろうと、今日もどこかであなたが元気でいてくれること、寂しくない日でありますように泣きたい時に泣けるところにいますように、都合良く引っ張り出す存在するかもわからない神様に何度もお願いする。だってそうじゃなきゃ、あんなに優しくてあったかくて、ズルせず頑張ってきたひとが報われてくれなきゃ救われない。彼らを好きでいたわたしが報われない。

ひらのさんがアイドルの仕事に誇りを持っていたことも King & Prince を仲間をとても大切に思っていたことも、ステージの上から見える景色を眺めるのが好きだったことも。強がりで寂しがりで愛情深いひとだと知っていたし届いていた、少なくともわたしが見てきたアイドルの平野紫耀さんはそういうひとだった。もう二度とこんな人には出会えないんだろうなと思うくらい、わたしの世界でいちばんのひとだった。

たくさんの初めてを共にした彼らが同じくたくさんの最後を共にして、最後の最後までお互いを思い合ってたくさん笑っていつも通りであろうとする姿を見守った春。毎日そこに名前があることに安堵して、次の仕事が決まると生き延びたような気持ちになった。半分生きながら、半分現実味のない時間を過ごした不思議な半年だった。生活になっていたことを実感したし、考える度に心がバラバラになりそうになる。ここから居なくなるなんて悪い夢を見ているんじゃないかと今でも思う。5人が楽しそうであればあるほど嘘だと言って欲しくなった。

「誰にも奪われることなく彼らがずっと一緒にいられますように」から変わっていった「一日でも長くこの景色が続きますように」の願いごと。笑われてしまうかもしれないけど年が明ける度に願ってた。変わり続けながら変わらずに続いていくことの難しさ、いざこうなってみて思い知る自分の往生際の悪さ。どこにも行かないで欲しい、いってらっしゃいなんて言いたくない。本当はたくさんたくさんありがとうを言いたいのに、膨れ上がったエゴを清算できずに今日まで来てしまった。思い出もエゴも感謝も全部一緒に腕の中にいる、残念ながらしばらくは手放すことも食べ切ることも出来なそうだなと諦めた。本当はこんな日は明るく見送る、前向きで綺麗な言葉を認めた方が良いこともわかっているのに、綺麗な形をしただけの何かを並べたって何にもならないなと思うままに書き記す。一年後のわたしが読み返して笑っていることを願って書き記す。

 

そろそろお別れかな、の言葉でまたぐにゃりと視界が歪む。本当にこの日が来たんだと何十回、何百回と考えてその度に足元が真っ暗になった。気を抜いたら立てなくなる、楽しかった時間と思い出が一気にフラッシュバックする。嬉しかった日も悔しかった日もみんなで喜んだ日も、ステージの上から会場を見渡す優しい顔も、泣き顔も照れくさそうにする顔も拗ねた顔も思い出す顔がたくさんある。それくらい濃厚な時間だった、あっという間に過ぎていった宝物みたいな夢みたいな時間だった。

何度も確かめる、並んだ5人の名前。まだ消えていませんように、今日まだここに居ると安堵したくて何度も確認する。ごめんね、はこっちの台詞。ごめんねなんて言わないで欲しい、ありがとうでいっぱいで謝ってもらうことなんて何もない。ひらのさんの背中に乗ったたくさんのもの、それが何だったのかすら知ることがないまま見送る最後の日。最後の最後まで平野紫耀さんは平野紫耀さんだった、わたしの大好きな強がりで優しくてかっこいい平野紫耀さんだった。

どこに向かうかわからないあなたが、どこに行ってもたくさんのひとに愛されますように。困った時に手を差し伸べてくれるひとが側にいてくれますように。あなたがまた新しい夢や希望を抱えて走っていけますように。絶望した夜があれば、希望の朝もやってきますように。寂しくありませんように、強がるあなたの肩を抱きしめてくれる仲間が見守ってくれる友が居てくれますように。また、あなたの夢の続きを陰ながら見守れる日々がやってきますように。またね、は約束の言葉だから忘れないで欲しい。あなたにおかえりなさいを言いたいひとがたくさんいること、会えなくても、元気かなとあなたの顔を思い浮かべるひとがたくさんいること。明日なのか一ヶ月後なのか半年後なのか一年後なのか、もっともっと先の話なのかはわからないけど、あなたの「ただいま」に「おかえりなさい」が言えますように。ごめんねはいらないからただいまって言ってください、早く帰ってきてね。

 

King & Prince の平野紫耀くんへ 5年間楽しかったよ、ありがとう。ジャニーズの平野紫耀くんへ 11年間お疲れ様でした。

大好きな大好きなKing & Princeへ 宝物みたいな時間をありがとう、どうかこれからふたりが進む道が明るいものでありますように。やりたいことも見たい景色も諦めることなく、進んでいけますように。新たな道を行く三人が、理不尽や絶望に負けませんように。不安よりも大きな希望が彼らを助けてくれますように。アイドルになってくれてありがとう、最後の最後までわたしたちに寄り添ってくれてありがとう。大好きだよ、今日も明日も元気でいてね。また会える日を願って。いってらっしゃい。

 

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